| ルノワールが肌の色に透明感を持たせるために、青や赤の色を重ねていたという話題。
下地に明るい色を置いて透明度の高い色を上からかける方法は油彩ではよく用いられる。
現代の化粧法に通ずる方法ということでニュースになっていたけれど、化粧の技術が絵画の技法に追いついて来たに過ぎないとも思える。
でも純粋に古いものの中に新しい技術との共通点をみつけた喜びは世間に知らせる価値もあるのかもしれない。
肌の色といえば、モディリアニの描く肌の素晴らしさを思い出す。
モディリアニは長細い輪郭の人物像が有名だけれど、私は何かの展覧会で買ったカレンダーを壁に貼り続けていた。
壁に絵を飾るということは、毎日見るということで、それはその人にとってちょっとだけ特別な絵になっていく。
とにかく毎日見ていたら、その人物の人間らしさや個性が「肌」にものすごく表れているのに気がついた。
ものすごくリアルな肌を描ける人なのだ。
別の絵描きでは、ルドンの人物像もすごい。
私はルドンの絵にはオーラが描かれていると最近思っている。
オーラって見える人も見えない人もいるし、そもそも存在自体がはっきりしない。
それを絵に描くってどういうことなのか説明するのが難しい。
たぶんそのオーラのようなものは絵の具として画面には残っていないような気がする。
でも輪郭や髪の毛の1本1本の繊細な描写を見て、感じるとなんだかオーラが描かれているように思えるのだ。
実際に後光が差しているような描写のものもあって、かなりそういう意識でものを見ていた人なんだと思う。
そんな作者の「見た意識」が残るのも高度な絵画の特徴だと思う。
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